フルサイズセンサー搭載のミラーレスカメラが普及に伴い、オールドレンズへの注目が高まって来ました。
ミラーレスカメラと併せてマウントアダプターを使うことで、簡単にミラーレスカメラをオールドレンズの母艦にすることが可能になります。
これらのことからオールドレンズを使った撮影が、より楽しめるようになりました。
しかし、オールドレンズは中古、又はジャンク品であることが前提での入手になります。
今回はジャンクや中古のオールドレンズを自分で修理することを前提に、注意することや選び方の観点について記事にしようと思います。
オールドレンズ初心者の方、オールドレンズを使ってみたいが、修理に不安を抱いている方、レンズ修理を自分で行ってみたいと考えている方、参考にしてみて下さい。
この記事を読んで分かること
●オールドレンズとは
●オールドレンズはどこで入手するのか
●オールドレンズを使うために必ず行うこと
●オールドレンズを修理する時の注意点
●オールドレンズの選び方
●オールドレンズを入手、使っていく上での注意点
この記事を読んで、レンズ修理を自分で行うことに対するハードルを下げられたら幸いです。
また、感想や意見などをコメント欄に残して頂けたら幸いです。
オールドレンズとは
結論、昔のフィルムカメラに使われていたレンズを指しており、現在のレンズには無い独特な描写が魅力的なレンズです。
今のレンズとは異なり、手振れ補正機能やオートフォーカス機能は搭載されてません。
便利な機能が詰まった現在のレンズがある中で、何故オールドレンズが脚光を浴び始めたのか説明します。
それは、独特な描写をするレンズが多く、このレンズの個性がデジタルカメラ(ミラーレスカメラ)と非常に相性が良いからだと考えてます。
こちらは僕のインスタグラムに掲載している写真から引用したもので、オールドレンズで撮影しております。
白く靄(モヤ)が掛かっていたり、5角形の絞りの形が何層にも重なっている様子が見て取れるかと思います。
白く霜が掛かりコントラストが下がって見える描写を「ゴースト」と言います。
5角形の絞りの形が何層にも重なって見えるのは、レンズ内部で光が「反射」しているためです。
こちらの写真には虹の様なものが写ってますが、これを「フレア」と言います。
オールドレンズで撮影をすると、紹介したような独特な描写を付加して写真を撮ることが出来ます。
しかし、オールドレンズが現役であった時代、フィルムカメラで写真を撮る時代では、これらの癖のある描写は「失敗写真」を増やす原因にもなっていたので、嫌われてました。
しかしデジタルカメラが普及し、撮影した写真をその場で確認できる、取り直しがすぐに効くようになりました。
そのため、オールドレンズの癖のある描写が「個性」として認識されるようになりました。
そしてこの「個性」が気に入ることができれば、オールドレンズの神レンズが誕生します。
紹介した描写以外にも、面白い描写をするオールドレンズは沢山あります。
是非お気に入りのオールドレンズを見つけてみては如何でしょうか?
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オールドレンズの修理手順を記載した記事をまとめました。
オールドレンズはどこで入手するのか
結論、ヤフオクやハードオフ、メルカリなどで入手します。
当然ですが、新品で売られていることはありません。
基本的に「中古」又は「ジャンク」での入手になります。
個人的にはヤフオクでの入手をおすすめします。
理由としてレンズの種類と数が多く、相場よりも安く入手することが出来る時もあるためです。
ハードオフやメルカリの場合、レンズの数や種類が少なかったり、状態の割に高いことが多々あります。
珍しいオールドレンズとの出会いも少ないので、機会損失になってしまいます。
ヤフオクでレンズを探す場合は、「カテゴリーから探す」→「家電、AV、カメラ」→「カメラ、光学機器」→「レンズ」→「一眼カメラ用(マニュアルフォーカス)」の階層まで進みます。
あとは、オールドレンズのメーカーを選択することで、レンズを探すことが出来ます。
気になるオールドレンズを見つけたら、入札します。
オークション終了まで入札金額を超えられることが無ければ、無事落札です。
落札したら、送付先住所と決済方法、必要に応じて配送方法などを出品者に伝えます。
決済方法については、「yahooかんたん決済」が非常に便利です。
事前にクレジットカード情報を登録しておけば、支払いを済ませることが非常に楽です。
yahooかんたん決済を行うためには、事前にクレジットカードを所持しておく必要があります。
お持ちでない方はAmazonマスターカードがおすすめです。
会員費は0円で利用金額に応じ、Amazonポイントを入手することが出来ます。
Amazonでのお買い物時に入手したポイントを使うことが出来ます。
オールドレンズを修理するための工具や、オールドレンズを使うためのレンズキャップなどのカメラ用品を入手する時の足しに出来ます。
少し話が逸れてしまいましたが、決済処理が完了すれば商品が届くのを待つだけです。
Amazonや楽天などの通販を使用したことがある方なら、難なく使いこなせるかと思います。
オールドレンズを使って撮影するために必ず行うこと
結論、「修理」する必要があります。
オールドレンズの修理を自分で行うか、お店に依頼するか選ぶ必要があります。
お店にオールドレンズの修理を依頼した場合、確実に綺麗になって戻ってくるでしょう。
しかし、修理代が思った以上に高く、1万円、もしくはそれ以上する場合もあるでしょう。
オールドレンズを入手する度に修理に出していては、予算的にも厳しいかと思います。
またオールドレンズを修理に出して戻ってくるまでに、数カ月要する場合もあります。
よってお店に修理を依頼する場合、時間と予算に十分な余裕が必要となります。
そのため、例えばLeicaのレンズの様な本当に高価で珍しいオールドレンズは修理に出す等、基準を設けて線引きした方が良いでしょう。
オールドレンズの修理を自分で行う場合、修理費は一切掛かりません。
しかし修理をするためには、オールドレンズを分解するための特殊工具が必要となります。
その特殊工具が、レンズオープナーやカニメレンチ等です。
しかし、これらの工具はAmazonで簡単に入手することができます。
値段も張るものではありません。
これからオールドレンズを始められる場合、持っておいて損は無いと思います。
またオールドレンズの修理を自分で行う場合は、ある程度の知識が必要となります。
あるオールドレンズを例に、分解の手順や構造をある程度知っておく方が良いです。
オールドレンズやクラシックカメラの修理手順を説明した書籍もあります。
こちらの書籍では代表的なM42マウント規格のオールドレンズを例に、レンズの分解手順と清掃手順について解説されてます。
こういったところから知識を集めてみては如何でしょうか。
また僕のブログでは、過去にいくつかオールドレンズの修理、カビ取り、清掃を行った内容について記事にしてます。
大きな写真付きで分解手順の解説や、外す部品について説明してます。
よかったらこちらも参考にしてみて下さい。
ピンポイントで修理したいオールドレンズの記事がありましたら幸いです。
このオールドレンズを修理して記事にして欲しいと要望がありましたら、コメント欄に残して頂けたら幸いです。
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オールドレンズの修理手順を記載した記事をまとめました。
オールドレンズを自分で修理する時の注意点
結論、すべて自己責任になることです。
オールドレンズの修理に失敗したとしても、自己責任です。
失敗を防ぐために、分解した部品は後で見返せるように、スマホ等で写真に残しておくことを強くお勧めします。
また、外した部品を外した通りに並べておくのも、後で組み立てる時に失敗を防ぐことが出来ます。
また次に紹介する様なジャンク品のオールドレンズを選ばなければ、修理の失敗をさらに下げることが出来るかと思います。
レンズの修理を自分で行う為に、おすすめなオールドレンズのジャンク品の選び方
結論、物理的に壊れていないレンズとバルサム切れを起こしていないオールドレンズを選ぶようにしましょう。
この「物理的」について、僕がこれまでに経験した下記2つについて説明します。
●フィルター枠が変形している
●絞り羽が動作しない
この様なジャンク品のオールドレンズを選んで失敗しました。
●フィルター枠が変形したオールドレンズを選ばない理由
結論、修理のためにオールドレンズの分解が出来ないからです。
図1はフィルター枠と銘板を示してます。
フィルター枠とはレンズの筐体にネジ山が彫られており、図1の写真で言うと、シルバーの枠を指します。
フィルター枠の役目として、レンズフィルターや後述する銘板を固定するための枠になります。
銘板とはフィルター枠に固定される部品で、レンズのシリアルNo、名前、ブランドや焦点距離、F値の情報が記載された部品です。
銘板の役割として、レンズの前玉を固定するために使用されることが多いです。
そのためオールドレンズの修理を行う時には、銘板を外す必要があります。
この時フィルター枠が変形していた場合、銘板を取り外すことが出来ません。
変形している部分の形を整えたとしても、ネジ山までは整えることは出来ないので、銘板を外すことは出来ません。
よってフィルター枠が変形しているジャンクのオールドレンズについては、選ばないようにしましょう。
●絞り羽が動作しないについて
自分で修理できないことはありませんが、オールドレンズの修理が不慣れな内は、避けたいジャンク品になります。
理由として分解する部品点数が増え、組み立てるのが難しく、作業難易度が高いため、オールドレンズ修理の初心者にはお勧めしません。
図2は絞り羽の修理を行う為に分解した様子を示してます。
当ブログの記事から画像を引用してます。
分解の詳細はこちらをクリック又はタップしてください。
まず、絞りを修理するためには、絞り羽にアクセスする必要があります。
そのため、分解する部品点数が増えます。
分解する部品の数が多くなるほど、オールドレンズの修理の難易度は高くなります。
そして、絞り羽は数枚の羽で構成されてます。
そのため、1枚1枚バラバラにした絞り羽を再び組み込むのに非常に苦労します。
オールドレンズに使用される絞り羽の枚数が多いほど、羽の組み付けが難しくなっていきます。
組み付けた羽により、次に付ける羽の穴の位置が隠れることや、組み付けた羽の1枚が外れてしまうと、再び1枚目から組み付ける必要があります。
そのため個人的に、この絞り羽の組み立てがジャンクのオールドレンズを修理する上で、非常に難易度が高いと感じてます。
これらのことから、オールドレンズの修理に慣れていない場合、絞り羽が動作しないジャンクのオールドレンズについては、手を付けないことをおすすめします。
続いて、バルサム切れについて説明します。
バルサム切れとは、レンズとレンズを接着している接着剤が剥がれる現象のことを言います。
これは個人で修理出来るものではありません。
以上のことから物理的に壊れている、バルサム切れしているジャンクなオールドレンズは選ばないようにしましょう。
このようなオールドレンズを選ばなければ、修理することで問題なく使えるようになると思います。
オールドレンズの状態にもよりますが、全バラを行わずともレンズの清掃を済ませられる場合があります。
なので、あまりにも難しく構える必要はないと思います。
全バラを行うことなく、簡単にレンズの清掃が行えた記事があるので、よかったら参考にしてみて下さい。
オールドレンズを入手、使っていくときの注意点
結論を先に言うと、ある程度の妥協が必要になることです。
オールドレンズを入手するにあたり、「カビ」は付き物です。
ジャンク又は中古のオールドレンズを入手すると、カビ付きは避けては通れません。
カビの発生がひどい場合、レンズのコーティングにダメージが及んでいることが多いです。
図3はカビ取りを行う為にレンズを分解し清掃した後の写真です。
分解の詳細についてはこちらをタップ又はクリックしてください。
レンズの脇にカビの浸食によるコーティングダメージが見て分かるかと思います。
カビの浸食度合いにもよりますが、レンズのコーティングにダメージを及ぼしていることがあります。
実際にカメラに装着し撮影に影響がなければ問題なしと割り切る必要があります。
まとめ
修理が前提となるのがオールドレンズの宿命です。
お店に依頼する場合は、修理費と修理が完了するまでの数カ月という時間が必要になります。
しかし、レンズ修理を自分で行う場合は、修理費が必要ありません。
とは言え、工具や分解に対するある程度の知識が必要になります。
ですが、紹介した書籍や当ブログのレンズ修理記事を参考にすることで、修理に対する知識は集めることが出来ます。
物理的に壊れていないオールドレンズ、バルサム切れしていないオールドレンズは選ばないようにしましょう。
修理の難易度が高いだけではなく、そもそも個人のレベルでは修理出来ません。
このようなレンズを選ばなければ、大体レンズの清掃のみで使えるようになります。
今回紹介した内容が、レンズ修理を自分で行ってみたい方のハードルを下げられる内容であれば幸いです。
また、この記事の感想や、コメントをコメント欄に残して頂けたら幸いです。
最後に
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